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2016/06/24

アナログの悩み。


「良い革入荷したから見においで」
革屋さんから連絡をもらって、昨日は浅草へいってきました。
浅草は皮革関係の材料屋さんや靴メーカーのメッカです。
浅草を歩けば靴を作っている小さな工場がいっぱい目につきます。

世の中は人工知能やら自動運転やら未踏の進化で湧いている中、浅草はアナログ感に溢れています。
写真は靴業界人なら誰もが知る掲示板。
東京靴業界の求人は今もこの掲示板に貼り出されます。
少し前にはこの掲示板の横に公衆電話が設置してあって、掲示板の求人を見ながら電話をかけている人を見かけたりしていました。


そんな浅草をてくてく歩きながら革問屋さんへ。
革はロットによってブレが大きく、良い仕上がりの時とそうでない仕上がりの時は大きく差が出ます。
リネンといい、革といい、ブレが大きい素材には常に悩まされるのですが、ブレのない均一の布目やPU(人工皮革)は味も少ないと思ってしまうので困ったもんです。
今回は思ったよりも良い仕上がりだったので、牛1頭分の革を仕入れるはずが1.5頭分になり、かなりの予算オーバーになってしまいました。。

近年は革の値段がどんどん高騰してきて、現在は数年前の約1.5倍の価格になっています。
その中でも牛革の値段は著しく上がっているのが悩みどころです。
革は食肉の副産物なのですが、近年は日本人が牛肉を食べなくなって原皮は輸入に頼っているのが現状。
良い原皮は景気の良いたくさんの皮を買ってくれる国に流れてしまうので、国内では原皮自体にブレがある上に入荷数も少なくなっている状態です。
よく「姫路レザー」とか「栃木レザー」とか呼ぶのは皮を鞣した土地であって、原皮のほとんどは海外産なんです。

そして、いつも通り「浅草は景気悪いねー」と革屋さんと雑談して帰ってきました。

そんな翌日の今日、革の型抜きをお願いしている浅草の裁断屋さんに指示書をFAXしないとなー、でも雨降っていてコンビニにFAX行きたくないなー、とパソコン前でウダウダしています。
浅草では職人さんへの連絡手段が電話&FAXが未だに主流です。

せめてインターネットぐらい導入して欲しいなぁ。。




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