入院している友人のお見舞いに、本を持っていこう。
棚を漁ってたら、でてきた「モモ」。
懐かしい、これにしよう。
学生の時は「不思議の国のアリス」のような感覚の
物語として読んだ記憶。
今回、手に取ったのを機に
数年ぶりに読み返してみた。
「モモ」は1973年にドイツの児童作家によって書かれた物語。
貧しいながらも、友人に囲まれのんびり幸せに暮らしてたら少女「モモ」。
このモモの周囲が「灰色の男たち」によって時間を奪われ
人々は「ムダなく効率的な良い暮らし」を信じて必死で時間を倹約して
セカセカと追い立てられるように生きるようになる。
モモは「灰色の男たち」から奪われた時間を取り戻そうとする。
そんなストーリー。
文章で次々に展開する世界をたくさん想像して
自分なりのイメージを
作り上げて物語を楽しむ。
ネットでわかりやすい文章や画像に慣れ親しむと
文章だけでイメージを作り上げる想像力が減ってきてるような気もする。
そして年齢を経た今読み返すと
学生の時と全く違った視点で楽しむことができる。
経験や世の中を重ねて、ドキドキしたり考え込んだり
登場人物の言葉が胸に響いたり。
40年前に書かれた本なのに、今の時代にぴったりくるストーリー。
児童文学だけど、ある程度の経験を重ねた大人に読んでもらいたい
そんな1冊です。
先日、本屋さんに行ったら「持たない暮らし」
みたいな本が
びっしり平積みされててびっくりした。
すべてのことに「片付け」は大切やけど
無駄や余韻を持つことも同じぐらい大切やと思いますよー。