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2016/05/11

ベージュの革ベルトについて。


今回のBlogはちょっと長いです^^;すいません。。

先日、ベージュ革のベルトがガザガサするとお客様からお問い合わせを頂きました。
最初は裏面の革のことかな?と思って「しっかりした革を使っているので、内側の肉面の繊維も同様にしっかりしてしまいます。ご理解お願い致します。」と返信をいたしました。

そこからずっと気になっていて、在庫の鞄を肩にさげて確認してみました。
もしかしたらこの事かも?と思う事があったのでBlogに書こうと思います。

今回使用している革は裏面に全面毛羽立ち止め糊を塗布した革を使用しています。
上の写真の右が糊を塗布した革、左が加工なしの革です。
革屋さんに「毛羽立ちを抑える下処理に時間がかかるんですよー」と相談したら『革の下処理の加工できるよー』と教えてもらいお願いしました。
* ただ糊も毛羽立ち加工も永久に持つ訳ではなく、使い続けるととれて毛羽立ちは出てきます。

確かに下処理がなくなって加工時間や乾かす時間がなくなったのは良かったし、仕上げもキレイなので嬉しいのですが、全面に糊を塗布している為に革の裏面の状態をベルト型抜きを依頼している抜き屋さんが把握しにくくなったせいで、使えないベルトがたくさんあがってきました。
使えないベルトとは、表面の見た目はキレイなのですが裏面の繊維が薄かったり傷がでているベルト達です。
これらは作る時に省きました。

革は牛一頭を半分にしたサイズで仕入れているのですが、生き物なので部分部分によって状態が異なります。
お腹の部分はご飯をいっぱい食べたら膨らむ様に、ゆるくどちらかというとブヨッとした感じの革で、背中は体重を支える為にしっかり繊維が詰まって固めです。

この背中の革を加工したものに裏面をしっかり糊加工すると、革を抜いた時に裁断端が固くガザガザして上がってきました。
っと、長くなったですが、、コレかな!?ガザガザの原因は!と思っています。。

確かにガザガザするのでベルトを作る時にヤスリである程度は角を落としています。
でも製作時に指で確認するのと肩にかけるのは感触が違いますよね。。
今ある在庫も確認して「ひっかかるかも?」と思うものについてはやり直しをします。
ただ、発送してしまったものについてはどうしようもないので、もし気になる方がいればこれから記す方法でご自身で対応していただければありがたいです。
(っと、これからもまだまだ長くなる予感のBlogですいません。。)


ヤスリは私は写真の赤の中目の金ヤスリをいつも使用しています。
でもこんなの普通の家庭にはないですよね。。
代用できるもの!と探したら爪切りの裏面ヤスリがありました!もちろんネイルケア用の金ヤスリをお持ちでしたらそちらを使用してください。


ベルトの裏面を机などの端にあてて、この爪切りヤスリをガリガリ上から下に動かして角を落としてください。


そうすると革端の繊維が毛羽立つので、毛羽立ち止めが必要になります。
私はいつも写真左のトコノールを使用しているのですが、これこそ一般家庭にあるはずがない!ということで水糊で試したら大丈夫そうだったので水糊で代用します!


水糊を指につけて。


ベルト端の毛羽立ちに少しずつ刷り込んでください。
その時に表面の革につかない様に注意してください。
もしついても水で拭き取らないでそのままにしておいてください。水で拭き取ると広がってシミになります。

これで完全に乾くのを待って乾いた布で革端をしごいてください。

長くなりましたが、角がとれて丸みがでてガザガザが収まると思います。
お手数ですが、気になる場合は一度試してみていただければと思います。

これからはこの部分にも気をつけて製作していく予定です。
ご迷惑をかけてしまった方には申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。







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